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サントリー美術館『京都・智積院の名宝』は素晴らしかった [アート]

サントリー美術館で開催している『京都・智積院の名宝』展に行ってきました^^

京都・東山にある智積院。真言宗智山派の総本山だそうな。
秀吉政権のときに衰退するんだけど、家康の寄進を受けて、江戸時代初期には現在の地に再興したんだって。

智積院の前身は、豊臣秀吉が建立した祥雲禅寺。
3 歳で夭逝した秀吉の最初の息子、鶴松の冥福を祈って建立されたお寺だったのだ。この展覧会では、そのお寺内に描かれた、長谷川等伯 & 息子・久蔵 & 長谷川派の金碧障壁画群が観られるの。等伯も息子をこのあと亡くしちゃうからねえ……久蔵、26歳という若さ (T_T

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この金碧障壁画群。展覧会では何度か観ているんだけど本当に素敵なんです。
今回また観ることが出来て嬉しい^^
というわけで、開館初日の 10 時ちょっと過ぎにサントリー美術館到着。日比谷線がダイヤの乱れで遅れてしまったのだ。

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今回は写真撮影は不可。
これ以降の写真はポストカードや会報誌からパチリしました。サントリー美術館は 4 階から 3 階へという順路なんだけど、4 階に長谷川等伯や久蔵、そして長谷川派が描いた障壁画がずらりと並んでおりました。

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ゆったりとしたスペースで展示されているので、すごく心地良い空間になってるわ。
まだお客さんもそんなに居なかったので、自分の観たい角度で作品も楽しめました^^

秀吉が息子の鶴松を亡くしたのは 1591 年。その菩提を弔うためにお寺(祥雲禅寺)を建立することにしたの。当時の絵師と言えば狩野派一派。でも当時リーダーだった狩野永徳が 1590 年に死去。狩野派はちょっとドタバタしていたのよね。なので寺院内の装飾を任されたのが狩野派と対峙していた長谷川派だったのだ。

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長谷川等伯率いる長谷川派は、金をふんだんに使った金碧障壁画群を見事に完成。
等伯の長男の久蔵も、本当に素晴らしい『桜図』を仕上げたよ。桜は立体的で触れたくなる。

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久蔵は今後の長谷川派を引っ張っていく存在になるはずだったんだけど、この作品を完成させた翌年の 1593 年、突然亡くなります。狩野派による暗殺説など、いろいろな憶測が飛び交う^^;

等伯は悲しみを乗り越えるかのように、この『楓図』を完成させたんだって。
この作品は本当に観ていて心が優しくなれるの。慈悲深さが感じられるな〜〜ってしみじみ思うわ。

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この金碧障壁画群を観るときは、いろんな人間ドラマが頭の中を駆け巡るのでうるうるしたりで大変(笑)
豊臣家が滅びたあと、家康によって祥雲禅寺は智積院に引き継がれたんだそうな。1682 年に火事で祥雲禅寺は燃えてしまうんだけど、智積院の僧たちによって障壁画は運び出されて、現在もこうやって観ることが出来るのでした^^ 有り難い。

智積院には他にもいろいろな名宝があります!
こちらは徳川綱吉が描いた『蓮舟観音図』です。犬公方の綱吉くん、こんな素敵な作品を描いていたのね! 将軍のたしなみとして、狩野派から絵も習っていたんだって。

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近代京都画壇で活躍した堂本印象の障壁画も智積院には飾られているんだって。
こんなモダンな障壁画がお寺の中にあるのも素敵だなって思ったわ。

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3 階と 4 階を何度もうろうろして作品を堪能しました。
6 階では智積院のビデオ映像が観られるよ。唯一の撮影コーナー(6 階)でパチリしてきましたw

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満喫した展覧会。
12/28 からの後期展示には、孔雀明王像が来てくれるので行ってくるもんね^^

お土産に買ってきたのは法具デザインの手ぬぐい。
一筆箋はメンバーズカードのスタンプが貯まって貰ったプレゼント♪

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展覧会後のランチは中華の気分だったので酸辣湯麺をいただきました〜。

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京都・智積院の名宝
サントリー美術館
2022年11月30日 ~ 2023年1月22日
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2022_5/index.html

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来年 4 月には京都で織田有楽斎の展覧会もあるんだって。
信長の弟、有楽斎。この人物も魅力的なんだよねえ^^ って、私は漫画『へうげもの』の印象が強いんだけどww

東京に来てくれるのは 2024 年なので、首を長くして待つことにします。



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