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西洋美術館の「憧憬の地 ブルターニュ」を観たよ [アート]

上野の国立西洋美術館で開催中の『憧憬の地 ブルターニュ』展に行ってきました。
この日は雨の予報だったけど、朝はまだ降ってなかったよ。

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フランス北西部にあるブルターニュ地方。
私は知らなかったんだけどブルターニュ地方って、独立国だったのが 1532 年にフランス王国に併合され州となったんだね。

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フランス人にとっては最果ての地。独自の歴史と文化を持っている「異郷」に、19 世紀の芸術家たちは魅了されたんだって。この展覧会ではブルターニュを目指した画家たちがそこで描いた景色、人々の作品が展示されてました。

フランス人にとっての「異郷」は、浮世絵を通して見た日本のイメージと重なったようで、浮世絵チックな作品もあって面白かったですわ。

展覧会は撮影 OK の作品もいくつかありましたよ〜。
モネの『嵐のリベール』

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同じくモネの『ポール=ドモワの洞窟』

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モネは 1886 年の 9〜11 月にリベールに滞在していたそうな。
変わりやすい天候と海面に悩まされたらしいよ。どんなふうに描くのか悩んだのかしら(笑)

ゴーガンの『海辺に立つブルターニュの少女たち』

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ゴッホとの共同生活が破綻したゴーガンは 1889 年 2 月からブルターニュに移ったんだって。
「誰、このおじさん!」って思っていそうな少女たちの顔がいいなあ。

モーリス・ドニが描いた『若い母』

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和気藹々とした女性たちや子供の様子が観ていて気持ち良かったなあ。
19 世紀末から 20 世紀初頭くらいには、ブルターニュは保養地としても注目されるようになったんだって。画家のなかには別荘を構えてブルターニュを第二の故郷にした人たちも居たそうな。

そんなふうに生活していると、悲しい出来事にも遭遇するよね。
シャルル・コッテの『悲嘆、海の犠牲者』

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パッと見、キリストの死を嘆く人たちなのかと思ったら、海で命を落とした漁夫だったわ。
でも漁船のマストが十字架のようにも見えたよ。

この時代は日本だと明治後期から大正期。
パリに留学していた日本人画家・版画家たちもブルターニュへ足を延ばして、風景や風俗を画題に作品を制作したそうな。そんな日本人画家たちの作品も展示されてましたよ〜。

今回の展覧会で一番気に入ったのが、写真撮影は NG だったんだけど、オディロン・ルドンの『薔薇色の岩』という作品。リンクを貼っておきます。
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/275159

ブルターニュって独特の岩があったみたいで、海岸にポツンとあった見慣れない岩を見て綺麗だと思ったルドンの気持ちが、岩の模様に惹かれがちな私にはちょっと分かるな〜って思った^^
多分現地の人たちは見慣れていて気にも留めない岩。
ルドンは、誰も見てない「美」を感じたのかなって思ったわ。

ブルターニュの歴史を勉強したいと思えて、
なかなか楽しい展覧会でございました!



せっかくなので常設も見ていくよー。
今回は常設展示内で『橋本コレクション展―指輪よりどりみどり』という小企画展があったよ。

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2012年に寄贈された橋本コレクション。
2014年に展覧会が開かれて観に行ったのを思いだしたよ。でもそのときに見た記憶がない指輪があったのでパチリ。紙で出来てるんだって!(笑)

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常設の絵画も観てゴハンでも食べに行きますかね。
初展示作品のピカソ『小さな丸帽子を被って座る女性』

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ピカソらしい大きな手^^
配色も好みでした。


西洋美術館の話はこれで終わりだけど、アート記事はまだ続くのだ。


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憧憬の地 ブルターニュ
国立西洋美術館
2023年3月18日〜6月11日
https://bretagne2023.jp/


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