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三菱一号館美術館 の 芳幾・芳年展、これはオススメ! [アート]

3月7日は三菱一号館美術館で開催中の『芳幾・芳年 ―国芳門下の2大ライバル』展を観に行ってきました。

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幕末を代表する浮世絵師、歌川国芳のもとで共に腕を磨いた二人の絵師。
歌川(落合)芳幾と、月岡(大蘇)芳年。
今回の展覧会は、幕末という浮世絵衰退の時代にあらがうべく、彼らがどのように闘ったのかを見て行く展覧会です。ふたりのお師匠さん、歌川国芳の作品もたくさん展示されてました (^ω^*

そして三菱一号館美術館はこの展覧会をもって長期休館(設備入替および建物メンテナンス)になってしまうので、今の美術館を観る最後の機会になるよ〜!



さてさて。この二人の絵師、公式サイトでの見解はこんな感じになっております。

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判定は引き分け。
私も月岡芳年は「最後の浮世絵師」として知っていて、展覧会も何度か観に行ったことがある。でもね、落合芳幾は全然知らなかったよ(笑)

今回、写真撮影OKのフロアがいくつかあって、気に入った作品をパチリしてきたんだけど、家に帰って見てみたら、殆どが月岡芳年だったww
というわけで、私の判定では月岡芳年の勝利になるのかな?

人生半ばの30歳前後で明治維新を迎えた二人。
各人の特徴としては、芳幾は発起人として関わった「東京日々新聞」(毎日新聞の前身)の新聞錦絵を描くようになるんだって。
一方、芳年は国芳から継承した武者絵を展開し、歴史的主題の浮世絵を開拓していったそうな。
浮世絵にこだわったのは月岡芳年なんだね。

以下、パチリしてきた写真を載せていきます。
月岡芳年のこの緻密で繊細な線がお気に入り。今まで見て来た月岡芳年の展覧会だと、血みどろ系が多かったんだけど、今回は血みどろはそこまで多くなかったよ。

笛の名手・藤原保昌が月夜に笛を奏でるシーン。
盗賊が狙うけどあまりにも隙の無い保昌に、とうとう襲うことが出来なかったというオハナシ。めちゃめちゃ澄んだ笛の音が響いていそうで大好きな作品。

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【藤原保昌月下弄笛図:月岡芳年】

こちらは、源頼朝の家臣に親を殺された曽我十郎・五郎兄弟が頼朝の寝屋まで近づくシーン。
「鎌倉殿の13人」でもそんなエピソードがあったので覚えてる人も多いかな?
暗殺は失敗に終わるんだけど、寝屋に踏み込んで失敗を悟った二人の様子が雨の効果もあって臨場感たっぷりだな〜って思いました。

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【曽我五郎時宗 五所五郎丸:月岡芳年】

平将門を描いたこの作品は、馬上から敵を斬りつけた将門が今まさに伐たれようとしているシーン。
写真ではよく見えないんだけど、将門の顔に飛んできている矢が無情過ぎる!!
この次の瞬間、将門は命を落とすんだね。

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【相模次郎平将門:月岡芳年】


こちらは落合芳幾が描いた虎の見世物札。
描かれたのが慶応2年(1866)なので、この頃に生きた虎が日本に来たのかなあ? ちゃんと姿が虎だね!w

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明治に入って「東京日々新聞」の錦絵を描いた芳幾の作品もパチリ出来ました。
二人の子どもを亡くして死んでしまった母が幽霊になって現れたという記事。文明開化の今日、あり得ない話だとして、虚説を伝える戒めの記事なんだそうな。

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【東京日々新聞101号:落合芳幾】

明治になったとたん幽霊を否定されて寂しいわ(笑)(笑)
芳年が描いた全生庵所蔵の幽霊画は、何度も見てるのですぐに分かったw



それから、山田風太郎原作の【警視庁草紙】、知らなかったんだけど漫画になっていたんだね。この展覧会と漫画がコラボして、同時代に生きた芳幾と芳年を絡めた異聞が週刊モーニングで連載になったんだって。

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東直輝さんの生原稿!
こういうの見ると興奮するww

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漫画は 2/22 発売分から 3 週にわたっての連載とのこと。
Kindle 版が販売されてたから、3 週だけ買おうかしらww

他にもたくさん写真は撮ってきたのですが、記事も長くなったのでこのへんで^^
気になる人は是非是非、実物を見てください。
見応えタップリです。まじで!!

そしてしばらくお別れの三菱一号館美術館。館内の様子もたっぷり堪能してほしいです。

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*****
芳幾・芳年―国芳門下の2大ライバル
三菱一号館美術館
2023年2023年2月25日 〜 4月9日
https://mimt.jp/ex/yoshiyoshi/


この日は展覧会ハシゴにつき、ランチ写真は次回です!



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