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トーハクで特別展「中尊寺金色堂」を観てきました [アート]

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1 月 23 日はトーハクへ!
楽しみにしていた 建立900年 特別展「中尊寺金色堂」の初日です。

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世界遺産にも登録されている平泉。今回は中尊寺の金色堂、中央壇に安置される国宝の仏像 11 体すべてが東京に出張してきてくれたんです!

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平泉には 2011 年の夏、母とパックツアーで訪れたことがあるのだ。
もちろん中尊寺にも参拝してます。でもね、なにせツアーだったので観る時間がない!

国宝・重要文化財 3000 点以上を所蔵している讃衡蔵も見学したんだけど、ツアーガイドさんが「さーっと見たら 3 分で出てこられますが、15 分とりますね」って言うノリですよ。時間を取ってもらえなかったの。

金色堂もゆっくり観る時間はなく、めっちゃ後ろ髪をひかれながら、それでも虹の橋に居るゆず猫ちゃんへのお線香だけはゲットして、泣く泣くバスに戻った記憶があります。

いつか機会があれば個人旅行で訪れて、ゆっくりゆっくり観たいと思っていた中尊寺。今回、国宝が東京に来てくれたので 2 時間くらい堪能しましたわ(笑)

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説明するまでもなく、平泉と言えば奥州藤原氏。
初代・藤原清衡(きよひら)は平安時代後期、前九年合戦・後三年合戦に勝ち残り、北東北から蝦夷島(北海道)までを勢力下に入れて、平泉を本拠にしたのだ。

そこに建てられた寺院が中尊寺。建立に託した思いの現代語訳は以下のとおり。
("古寺行こう" の中尊寺より抜粋)

この地では長い間、戦いが続き、官軍も辺境の兵も死ぬ者が多かった。
鳥獣や魚介の類いで殺されたものも数え切れない。
それら、なんの罪もなく死んだものたちの霊魂が、この鐘の音に導かれて浄土に赴くことを願う。

生きとし生けるものの現世の浄土、それが中尊寺を含めた平泉なのかもしれないね。
頼朝よ、分かるか!?(笑)(笑)


さてさて。じっくり観たかったお宝のひとつは華鬘です。
金色堂の中に飾られている『金銅迦陵頻伽文華鬘』だよ。国宝です。

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迦陵頻伽(かりょうびんが)は人頭鳥身で極楽浄土に棲んでいるの。歌声がとっても綺麗なんだそうです。私は生まれ変わったら迦陵頻伽になりたいのだw(なんて身の程知らずww)

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展覧会場に入ってすぐのところには大型ディスプレイがあって、8KCG で原寸大に再現された黄金に輝く金色堂とその内部を観ることができるよ。まじ圧巻です。

会場内は中央壇に安置されている仏像がズラリ。
金色堂は奥州藤原氏の墓堂でもあるので、須弥壇の内部に置かれた棺には今も奥州藤原氏のご遺体が納められているの。副葬品の金塊なんかも展示されていたよ。

仏像を観ていると心が安らぎます。
地蔵菩薩を観てたら、その穏やかな表情に泣けてくる。今回 6 体の地蔵菩薩が出張してきていて、3 体ずつ左右に展示されていたんだけど、どちらも真ん中のお地蔵様の表情が好きだったな。

そして今回の展示で一番感動しちゃったのはコチラ。
金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅!! 国宝です。通常非公開で、中尊寺でも普段は複製を展示してるんだそうな。今回は本物を観ることが出来ます。

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宝塔は絵のように見えるでしょう。
じつは違うの。経文を写書した文字の集まりなんだよ。

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溜息しか出ない。圧倒されます。
経文 1 巻分を塔にすべて書き写しているんだって。この経が国土に広がれば、国は豊かになり人々は安らかに暮らせると説かれているそうな。裏を返せば、この時代はそんな平安な時代とはほど遠かったということだよね。強い願いが込められたその経文に感動したわ。

描かれている絵はね、ちょっとユーモラスだったりして笑みがこぼれました。
第七幀(この記事の画像は第三幀と第六幀)には、風神雷神も小さく描かれていて、めっちゃ可愛かった^^

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写真撮影 OK だったのは金色堂の模型。
昭和の大修理の際に得られたデータに基づいて製作されたんだって。

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内部の装飾もめっちゃ凄かった!

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本館の特別5室での展覧会なので、スペースは広くないんだけど見応えがありました。2 時間くらい会場から出られなかったわ(笑)
やっぱりまた平泉は訪れたい!!

満足して帰宅。
お昼ご飯はエビとズッキーニのパスタ^^

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建立900年 特別展「中尊寺金色堂」
東京国立博物館 本館特別5室
2024年1月23日〜4月14日
https://chusonji2024.jp


※ 今回の画像は 2023 年刊行の『古寺行こう』中尊寺からパチリしてます。清衡の現代語訳もここから抜粋。

隔週刊 古寺行こう(24) 中尊寺 2023年 2/7 号

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  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2023/01/24
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