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ターナー展、観てきました。 [アート]

金曜日。
仕事の後に東京都美術館で開催中のターナー展に行きました。

チケットですよー

英国の風景画の巨匠ウィリアム・ターナー。
18〜19世紀の画家です。10代の頃水彩画家になり、26歳で当時英国の美術界で絶対的な権威を誇っていたロイヤル・アカデミー(王立芸術院)の正会員に。早くから才能を発揮している画家です。

今回の展覧会は、まさにすべてターナーの作品!
同時期の画家の作品などは無く、ターナーの作品を満喫できます(^^)
ターナーの作品は他の展覧会で晩年の作品を数点くらい観たことはありますが、こんなにたくさんの作品を観たのは初めて。

名刺みたいなのもありました

18世紀以降の英国。交通の整備が進んになり、裕福な人たちの間で旅行がブームになりました。ターナーは20代の頃には十分な収入を得られていたので、旅行に行き、さらに油彩画にも手を広げて自然の壮大さをさらに描くようになったのだそうな。もちろん才能があったからなんだけど、恵まれていたよね。

この光具合が好きだ

大自然や自然の猛威に対する畏怖の念、そして敬意を「崇高」という概念でとらえて、ターナーも雄大な自然や自然が引き起こす災厄を題材にした風景画を追求したんだそうな。

それを知ると、荒波にこぎ出す船や嵐の海の作品が多いのも納得。ターナーは船の舳先に自分の体を縛り付けて、嵐の海に出して貰ったという逸話もあるようで(笑)

50代になると光や大気を表現することに注力していった感じ。
私が今までに観ていた作品も、この時代からのものが多いです。時代がターナーに追いつくのはもっと先の話。なのでこの頃は周りから理解されない作品も多かったのでしょうね。未完の作品もいくつか展示されていました。

このまぶしさ!

この作品 ↑ は、<レグルス>
敵国にまぶたを切られ、陽光で失明した将軍レグルスの逸話を描いたもの。レグルスが失明する前に見た最後のまぶしさ。本物の絵画からは眩いばかりの光があふれていました。

晩年の作品。展覧会などでは発表されることのなかった<湖に沈む夕陽>です。

一瞬のじかん

日が暮れていく時間。そういう時間帯って景色の輪郭がぼやける気がします。まして湖面だったりすれば尚更?
なので、こういうのは自然なんじゃないかと。見ていてそんな気がしました。オレンジの夕焼け空が広がり、それが湖面に映り込んで、すべてが染まっていく。そんな一瞬の情景。館内も空いていたので、じーっくりこの絵と対面できました^^

日本にも逢魔が時や黄昏時という言葉があるけど、そのぼんやりとした時間帯のことをふと思い出しました。ターナーの絵はもっと神々しいけどね(笑)

ターナーが使っていた油絵具が入った画材セットや各国を旅した際に持っていたスケッチブックも展示されていて、これがすごく面白かった!
画材セットは、まだチューブ入りの絵具があまり出回ってなかった頃のもの。豚(だっけな?)の膀胱に絵の具が入っていて、ちょっと感動。でもターナーが好きだった黄色は、チューブ入りでした。瓶に入った青の顔料なんかもありました。

ターナーにどっぶりと浸かれる展覧会でしたよ^^
面白かったです!

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ターナー展
東京都美術館 (上野)
2013年10月8日(火)〜12月18日(水)
9:30~17:30 (金曜日と10月31日、11月2日、3日は20:00まで)

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コメント 13

ChatBleu

広大な自然を感じられそうな絵ですね。
今の日本にはこういう風景はないかなぁ。
リュカさんの故郷・北海道なら・・・
by ChatBleu (2013-10-20 14:55) 

toshi

ターナー展に行かれたのですね。
拝見するとヨーロッパ的な風景ですね。
アジア的なものと違った魅力がありますね。
by toshi (2013-10-20 15:56) 

YAP

日本で展示される海外の画家の作品展は、けっこう同時代の他の画家の絵も多かったりしますもんね。
それを思うと、純粋にひとりの画家の作品だけでの展覧はすばらしいと思います。
まだ一部の裕福な方だけのものだったかもしれませんが、この頃から旅行がレジャーとして認知されてきたのですね。
by YAP (2013-10-20 16:09) 

nano

「レグルス」は心打たれる風景ですね~α~ (‐.‐)ふぅ
by nano (2013-10-20 16:27) 

リュカ

ChatBleuさん
そうなんですよ。北海道って日本っぽくないというか(笑)
海外の風景を見ていて「北海道みたいー」っていうの結構ありますw


toshiさん
イギリスやイタリアの景色、やはりアジアとは違いますね。
建物もヨーロッパ!!!って感じでした^^


YAPさん
キャプションをみて、これは誰の作品?と気にせず観られました(笑)
××展といいながら、その人の作品よりも他の人の作品のほうが多いじゃん!っていう展覧会もありますからね〜^^;
旅行はこの頃から流行り始めたのですね−。ターナーは蒸気機関車の作品も描いていて、好きな作品があるのですが、それは今回は来ていませんでした。残念〜


nanoさん
そりゃ失明しちゃうよ!って感じですよね^^;
めちゃめちゃまぶしい太陽の光。
想像すると眼を細めたくなります。
by リュカ (2013-10-20 17:26) 

T-CHIRO

ターナー・・・きく名前ですがよく知りませんでした(汗)
へ~~ターナーは黄色が好きだったのですね。
少し調べると緑色は嫌いだったとありますね。

またまたβーエンドルフィン一杯出た感じですか(笑)
by T-CHIRO (2013-10-20 19:20) 

kou

この「湖に沈む夕陽」はとてもいいですね。
まぶしさの記憶の色という感じがします。
by kou (2013-10-20 20:56) 

夏炉冬扇

今晩は3。
いですね。芸術の秋。
by 夏炉冬扇 (2013-10-20 22:39) 

moz

リュカさんの秋はまさに芸術の秋ですね ^^v
展覧会、たくさんご覧になっているなぁ~、それに、会社帰りに行けるっていうのも良いなぁ~。
ターナーは絶対に行きたいと思っています。一度見て、すごーーいって思った画家。
印象派を予告しているみたいだけれど、それだけでは片付けられない、別次元の画家さんだと思います。
リュカさんに見せて頂いてよけいに思いが募りました。
今週行こうかな? 込み具合はどうでしたか?
by moz (2013-10-21 05:53) 

匁

ターナー展の混雑具合はどうでしたか?
行こうと思っています。
最近、水彩で風景を描くことが多いので
本物を見たいです。
by (2013-10-21 09:23) 

リュカ

T-CHIROさん
ターナーは緑色は好きじゃなかったのですね。
なるほどー。確かに緑を使った作品よりは黄色っぽい絵が多かったです(笑)
βーエンドルフィン出ていたと思います!
ぼやーんとして帰ってきました(笑)


kouさん
>まぶしさの記憶の色
ああ、その言葉がぴったりです。
ほんとうにそんな感じ。そして見ている方もかつて見た景色が思い浮かびましたもの。
私は宍道湖^^


夏炉冬扇さん
芸術の秋、堪能しました。
あとは今月末か来月頭に恐竜展を見に行って、しばらく展覧会巡りはお休みかな?(笑)


mozさん
上野は会社帰りに行きやすいので助かります^^
ターナー、ぜひ観に行ってください!!
良かったです(^▽^
こんなにたくさんの作品見られる機会、滅多にないですものね。
印象派とは、やっぱりまた違う次元だと私も思います。
金曜日の18:15に美術館に到着しました。空いてましたよ!
でも、土日の夕方は混雑してるようです。
週末なら、朝イチバンがいいかもしれないですね。開館前のちょっとした混雑はあるでしょうが、館内に人はいませんものね^^


匁さん
なるほど、最近は匁さん、水彩画が多いですよね。
私は金曜日の18:15行きました。
あまり人もいなくて絵の前でじっくり鑑賞出来ました。
でも19:15くらいから若干人が多くなった感じがしました。
日曜の夕方は混雑していたとブログで書いてる方がいらっしゃいましたよ。
やはり週末は混雑しそうですが、テレビでいろいろ特集やるまえに行ったほうがいいかもですね^^
by リュカ (2013-10-21 09:35) 

kuwachan

ターナー展、チケットも素敵ですね。
ターナーだけって贅沢な展覧会ですね。
私も何枚か見たことがあるとは思うのですがどの絵だったかは
ハッキリと覚えていないのです^^;
独特の雰囲気を持っていますよね。
by kuwachan (2013-10-21 12:31) 

リュカ

kuwachan
見事にターナーだけ!っていう展覧会だったので
本当に良かったです♪
ぼんやりとした空気の中に蒸気機関車が描かれた作品が
わりと好きなのですが、今回はきてませんでした。
嵐や雪崩の作品も迫力がありましたよ^^
by リュカ (2013-10-21 12:57) 

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