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「へびをかぶったお姫さま」展は楽しかった! [アート]

天袋から羽毛布団を出した日。
当然のように寛ぐあおくんw

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溺愛さんのブログで紹介されていた展覧会『へびをかぶったお姫さま ―奈良絵本・絵巻の中の異類・異形―』展を観に行きました。



慶應義塾図書館貴重書展示会で、丸善・丸の内本店4階ギャラリーで 10 日まで開催されてます。

室町時代後期から江戸時代中期にかけて制作された絵本や絵巻を「奈良絵本・絵巻」って言うんだって。
動物や鳥、虫たちが多く描かれているけど、なかには擬人化していたり鬼や天狗たちも居るのだ。この展覧会は面白い絵を数多く公開して、いつ誰によって作られたかを明らかにしていこう!という主旨。

慶應義塾大学のコレクションを見るのは初めて。
毎年丸善で展示会を開催しているとは知らなかったなー。しかも嬉しいことに写真撮影 OK だったのだ。図録は買ってきたけど、やっぱり作品をパチリ出来るのは嬉しい。自分好みのものをズームで残せるし、会場の雰囲気もあとから思い出せるからw

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入口を入ってすぐのところにあった豆本。目を奪われました!
めっちゃ綺麗!!



江戸時代前期に写されたものらしいんだけど、保存状態もすごく良いの。今回展示された品々は全体的にとても状態が良くて本当に綺麗でした。

鳥歌合絵巻『雀の発心』 室町末〜江戸初期のものみたい。
子雀を食べてしまった蛇に、雀の夫婦が蛇に説教したあと出家して各地を巡るお話しだって。



擬人化されたネズミの絵巻は他の美術館でもいろいろ見てるんだけど、この絵巻も本当に綺麗でした。『弥兵衛鼠』という作品で一家繁盛の物語。着物も素敵に描かれていたよー。



好きになった僧侶を焼き殺しちゃう『道成寺』
僧侶が隠れている鐘に、蛇になった娘が巻きついて焼いてる場面はいろんな人が描いているんだけど……



黒焦げの僧侶のシーンは観たことがなかったので新鮮(笑)



江戸時代前期の『竹取物語』の屏風。
ケースに入ってないので、めっちゃ間近で見られて嬉しい!!
ひとつひとつの絵をじっくりガン見できました^^



同じく屏風の『俵藤太』は藤原秀郷の武勇譚。これまたうっとりするくらい美しい。
波の描き方もお見事!



さてさて、このあとは「頭になにかが乗っている」のコーナー。
擬人化を示す方法としてとられる手法が、人の頭の上に生物を乗せること。こういう擬人化の描き方は一般的だったみたい。

IMG_0237.JPG 『浦島太郎:江戸前期 写』

『虫の歌合』では、いろんな虫が擬人化されてます。人の頭の上にいろんな虫が乗ってるよ^^



ほら!(笑)



今回の展覧会ポスターに載っていたのはこの御姫様だったのね。
蛇を擬人化した姿でした。蛙や蛇は江戸時代までは虫に分類されていたのよ。



着物の模様も細かく描かれていて本当に美しい。惚れ惚れしました^^



奈良絵本・絵巻は筆者名や制作年代を示す奥付が記されていないんだって。
なので誰がいつ描いたのかというのを鑑定するのが難しいみたい。そんななか、今回の展覧会では「居初つな」という人物のものだろうという作品が紹介されていたのよ。

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署名が書かれた百人一首カルタなども展示されてました^^
狩野派や琳派の絵師なんかとは違って、こういう作品の作者ってあまり意識しなかったけど、ちゃんと誰かが描いているんだよねえ。そういうことを意識できた面白い企画でした^^


*****
へびをかぶったお姫さま ―奈良絵本・絵巻の中の異類・異形―
丸善・丸の内本店4階ギャラリー(入場無料)
2023 年 10 月 4 日~ 10 月 10 日
https://libguides.lib.keio.ac.jp/mit_annual_exhibition



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