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映画「セザンヌと過ごした時間」を観たよ [映画・番組・GAME]

人気アートブログ「青い日記帳」と東京新聞のコラボでおこなわれた、映画「セザンヌと過ごした時間」の試写会に行ってきました。

ちらし

フランスの画家ポール・セザンヌと、文豪エミール・ゾラの 40 年にわたる友情を描いたドラマで、9 月 2 日から公開されます。
友情を描いた・・・と書くと聞こえが良すぎるか。ゾラが小説家としてデビューし成功していく一方で、いっこうに芽が出ないセザンヌ。葛藤、衝突が多く描かれてました。

どちらも進む世界は違えど、自分の世界を突き進むなかでの苦悩があって、それをうまく昇華できずに爆発させて傷つけちゃうもどかしさも伝わってきたわ。
しかしセザンヌがここまで激しい人物だとは知らなかった(@o@

私はエミール・ゾラの作品を読んだことがないので、読んでみようかなって思いました。映画を観たあとだから、「この作品を書いてた頃のゾラは、映画で言うとあのあたりね」なんて分かりそうw

眩しいひかり

映像は本当に美しいの。南仏の眩しい光、色。日本とは空気が違うなーって思ってスクリーンに見入ってしまったよ。エクス・アン・プロヴァンスの景色に惚れちゃう!
監督は絵画が大好きな人物のようで、セザンヌやゾラと交流のあった印象派として活躍する人物もたくさん出てきました。もちろん彼らの作品も。
画材屋さん兼、画商のタンギー爺さんも登場。これ、なんか嬉しかったな。
(ゴッホが彼の肖像画を描いてます)

最初のうちはサロンで落選した「落選組」としてみんなで集まって芸術を語る仲間たちが、どんどんサロンで認められていく・・・セザンヌの疎外感、分からなくないです。

ラストシーンで、成功したゾラが言う台詞。
「セザンヌは天才だった」
あー、セザンヌはまだ生きてるんだから、過去形にしないで〜って思って胸が痛かった。そのあとに続く言葉を聞いたセザンヌが去って行き、映画はエンドロールへ。

人が居ない美しい風景のなかに一人帰って行くセザンヌの背中。これがとってもとっても切なかったです。中等学校からの友達だったゾラとセザンヌの友情の在り方が、私にはあまりにも切なかったわ。お互いがお互いを必要としていたのにね。

生前は全然評価されなかったセザンヌ。でも彼は彼の描きたいものをまっすぐに描き続けたんだね。セザンヌはとくに好きな画家ではなかったけど、こうやって人物を知っていくと、これから作品を観る目も変わるから楽しい。

セザンヌは、20世紀に入ってピカソやマティスに崇拝されて、近代絵画の父と呼ばれてます。

さ、図書館でゾラの本を借りなくちゃw

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「セザンヌと過ごした時間」
2017年9月2日より、Bunkamuraル・シネマ 他にて全国順次公開
http://www.cetera.co.jp/cezanne/
【劇場情報】
http://www.cetera.co.jp/films/theater/?q=cezanne

あおくん

「ボクも思ったように生きるにゃ!」って顔のあおくんです^^

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