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古代の王に導かれたのかもしれない?(笑) [ふらり旅・イベント]

写真は記事とは関係ないけど、家の近所の彼岸花をパチリ。
秋ですのぅ。

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さて。岡山旅の続きです。
タクシーに乗って岡山駅に向かうことにした私。運転手さんとの会話は続きます。

「こんなふうに史跡巡りが趣味なの?」
「はい。旅はもっぱら歴史探訪です」
「ボクは歴史に疎いんだけど、このあいだ桃太郎の話をテレビで観てね。面白かったな」
「あ、NHK ですよね。旅行前にタイムリーって思って私も観ました。でも温羅の話が一切出てこなかったので、それは納得がいかなかったな」
「ははは。詳しい人からしたら、物足りない番組だったかな。あの番組に出てきた楯築(たてつき)遺跡は、お客さんを何度か乗せたことがあったから、その名前が出てきて勉強になったよ」
「楯築遺跡! ホントは岡山に来たら絶対行きたいって思ってた場所なんですよ。でも倉敷にあるから今回は諦めたんです」
「ん? 此処からなら 10 分ちょっとで着くよ」
「あれ? だって楯築遺跡って倉敷市ですよね?」
「ああ、この辺は岡山市と総社市と倉敷市の境界でね。楯築遺跡は倉敷市の外れだから此処から近いよ」
「ホントですか? そこに行きたいです!」
「寄ってみるかい?」
「是非お願いします!」

この時点で中山茶臼山古墳に行けなかったことなど吹っ飛びました(笑)
スマホの電池のことも忘れましたw
テンション上がりまくりですっ
なぜなら……

「そうか、楯築遺跡ってそんなにすごいところなのかー」
「すごいんですよ! 2世紀後半くらいの弥生時代なので、古墳じゃなくて墳丘墓なんですけど、これが弥生時代の墳丘墓の中では日本で一番大きいんですよ! そしてこの墳丘墓が前方後円墳のモトになってるって話なんですよ。前方後円墳が吉備で生まれた証拠っても言われてるんです」

興奮しちゃったので、楯築遺跡について熱く話してしまったよ(笑)

そうなのだ。この墳丘墓は弥生時代に既に大きな権力を持った王がこの吉備地方に居たことの証。ここまで大きいものは北九州にも出雲にも大和にも無い。
そして此処で出土した特殊器台と特殊壺。のちに箸墓古墳でも見つかる特殊器台と特殊壺。ということは、この墳丘墓に眠っていた人物こそ、おそらく吉備王国の最初の王。この楯築遺跡は古代吉備国の原点なのよ!

うわー、うわー、スマホの異常はきっと「此処に行け!」っていうことだったのかも〜!
すごーいすごーい! と興奮してた私でした。

ほどなくしてタクシーは入口に到着。
「ボクは此処で待っているから、のんびり楽しんでおいで」と言って送り出してくれました。(念のために運転手さんは自分の携帯番号をメモに書いて私にくれた)

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まさか楯築遺跡に来られるとは思ってなかったので、地図などは全然頭に入ってません。本で読んだ情報が頭に入っているだけで、具体的に何もメモしてこなかったのよね。

看板を発見。もともとはこの赤い色のような形をしている墳丘墓。
全長約 80m で、同時代の墳丘墓の中では最大級。

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自然の丘の頂を整えて造られていて、やや歪んだ円形の円丘部は約 50m なんだって。
突出部は、昭和40年代の住宅団地建設で破壊されちゃったそうな。

この階段の先が円丘部なのかな? と思って、上ってみる。

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でも違った(笑)
この先は古墳の周りを歩く遊歩道っぽくなっていたけど、当然舗装されてなくて、草木に覆われていてまた蚊に襲われそうな雰囲気だったので撤退。

違う道に行ってみると、お、これは収蔵庫!

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某漫画では、此処から龍神石が盗まれたことになってるわw
実際はこの収蔵庫には旋帯文石(せんたいもんせき)が納められています。

建物の横に覗き穴があるらしく、そこから旋帯文石を見ることが出来たようなんだけど、見損ねちゃいました。次回訪れたら絶対に見よう! (やっぱり事前調査不足は否めないねw)

おかやま観光ネットに載っていた写真をお借りしよう。こんな石なんだよ。

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石の表面には全面に特殊な旋帯文が施されていて、正面には人間の顔のような彫り込みがあるんだそうな。こういうのは他に例がないみたい。遺跡の発掘調査で、同じ文様が入った小さな石が出てきて、2世紀末頃のものと分かったんだって。

この文様。古代吉備文化財センターで見た特殊器台にみられるものと類似しているとのこと。この文様が弥生時代の吉備の呪術では重要なものだったんだろうなあ。

今こうやってまじまじと文様を見て、倉敷市のホームページに載っている旋帯文石を見ると、波とうず潮にも見えてきちゃった(笑)
蛇(もしくは龍?)を表してるのかもしれないけど、うず潮に見えるw
関門海峡を渡り、特殊な潮流の瀬戸内海を自在に航行した一族。吉備に拠点を置いて製塩、製鉄を始めた一族……なーんて想像しちゃったww

まだまだ妄想の域だけど、その一族の長こそ元祖・吉備津彦命! なんてね^^

長くなったので次回に続きます。


***
不思議な旋帯文。家に帰ってきてからいろいろ調べてみたら、綿花を糸に紡いだ状態をモチーフにしていると考察してる人のサイトも見つけて非常に面白かったです。鬼城山あたりは綿花栽培もおこなわれていたみたい。
言われてみたら岡山って岡山デニムが有名だし、繊維の町でもあるもんね?


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