SSブログ

国立西洋美術館のリニューアルオープン記念の展覧会と独立選抜書展 [アート]

かなり前になってしまいましたが、15日は国立西洋美術館で開催中の『自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』を観てきました。

IMG_7374.JPG

改修工事のために一年半くらい休館していた西洋美術館。ル・コルビュジエの設計をもとに、1959年に創建した当時の姿に近づける工事をおこなったそうです。
今回の展覧会はリニューアルオープン記念。西洋美術館の所蔵品と、ドイツのフォルクヴァンク美術館の所蔵品を観ることが出来ますよ。自然と人の対話(ダイアローグ)から生まれた近代の芸術を楽しむというコンセプト。

撮影不可の作品もあったけど、だいたいの作品は撮影OKでした。

いろいろな画家が描く風景画を楽しんでいて、吸い寄せられるように近づいた作品がコチラ。
カール・グスタフ・カールス『高き山々(カスパー・ダーヴィト・フリードリヒにもとづく模写)』

IMG_7300.JPG

谷間の奥に光り輝く雪山が本当に見事でした。写真だと分かりづらいけど、手前の岩山あたりに1本の木が立っていて、気高い魔法使いのように見えてしまったわ^^

ヨハン・クリスティアン・クラウゼン・ダールの『ピルニッツ城の眺め』も素敵でした。
窓の向こうに広がる景色って良いな〜って思いながら眺めましたよ。丸窓から観る日本庭園も楽しみたくなっちゃった。

IMG_7304.JPG

夕日があまりに美しくて言葉を失う、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒの『夕日の前に立つ女性』は、色んな人が立ち止まって、しばしこの景色を堪能してました。
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒは『樫の木の森の修道院』という作品くらいしか知らなくて、それはセピア調の色を抑えた作品なの。こんな色の作品があるのかーってまじまじ観ましたわ。

0101.jpg

アクセリ・ガッレン=カッレラの『ケイテレ湖』は湖面に映りこんだ木々や空がキラキラしていて、いつか何処かで見た景色……なーんて自分の過去の記憶が甦ってくる作品でした。風景っていうのは、観る人それぞれの思い出が結びつくね。

IMG_7308.JPG

今回、ファン・ゴッホの『刈り入れ(刈り入れをする人のいるサン=ポール病院裏の麦畑)』が初来日。晩年精神を病み、療養中だったゴッホが「自然という偉大な書物の語る死のイメージ」を描き出した、代表的な風景画のひとつなんだそうな。

0102.jpg

ゴッホから弟テオへの手紙の一節も館内の壁に書かれていたの。
「炎天下、自分の仕事をやり遂げようと悪魔のように闘う姿の中に死のイメージを見ました。人間は刈り取られる麦のようだという意味です」というような言葉でした。
「しかも明るい光の中で行われている」ということも書かれていたよ。

解説がなかったら、明るい空の下、せっせと働いている働き者の作品にしか見えなかったなあ(笑)
「おつかれさん!」って陽気に声を掛けちゃいそうだよ。

いろいろな画家が見て描いた風景を、鑑賞者がいろいろ好きな思いで観る楽しい展覧会でした。





さて、お次は常設展も観ちゃおうか! 久しぶりの西洋美術館だもんね。

懐かしい作品、今回新しく仲間入りした作品を楽しみます。
ルカス・クラーナハ (父) の『ホロフェルネスの首を持つユディト』は好きな作品^^
敵将ホロフェルネスを酔わせて斬首したその顔は不敵でカッコイイ(笑)

IMG_7312.JPG

ダフィット・テニールス (子) の『聖アントニウスの誘惑』は、誘惑されてる聖アントニウスの周りと飛んでいる奇妙な魔物たちが可愛くてww
私ならすぐに誘惑されちゃうなあ〜。一緒に魚に乗って遊ぶ!

IMG_7315.JPG

館内はこんな感じで空いてるので、好きな作品の前でじっくり絵を楽しめましたよ。

IMG_7320.JPG

東京ステーションギャラリーの展覧会でファンになったアンドレ・ボーシャンの作品も発見!
『アルクマールの運河、オランダ』という作品でした。やっぱり木々の描かれ方が細かくてすごい^^
アンリ・ルソーちっくだけど、ルソーより上手いって思えてきてます(笑)

IMG_7331.JPG

このあとは別の美術館に行くので、その前に腹ごしらえ。
館内のレストランでパスタセットをいただきました。

IMG_7336.JPG

海老とマッシュルームのクリームソース。
いつもならグラスビールを飲むんだけど、この日は我慢ww

IMG_7337.JPG

食べ終わって向かったのは東京都美術館です。
独立選抜書展で、もとSSブログの書家、宮本洋志さんの作品を観てきたのだ。
(本日:6/21まで開催)

IMG_7340.JPG

「一径梅香雲満地半窓花影月籠沙」

タイトルを見ながら、一字一字見ていっちゃいました。まっすぐな道、梅が香って雲は地に満ちて……半窓に月の光で花の影が映ってるのかな、などと想像。紗を籠むっていうのはどういう意味なのかな。

詳しいことは全然分からないけど、少し離れたところから眺めていると、梅の木の背景に、雲と共に流れゆく時間を感じた……のは、きっと西洋美術館で観た『自然と人のダイアローグ (対話)』展の影響があったと思われます(笑)


*****
自然と人のダイアローグ〜フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで
国立西洋美術館
2022年6月4日〜9月11日
https://nature2022.jp/


nice!(80)  コメント(43) 
共通テーマ:アート