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縄文人にとっての立速日男命の妄想 [ふらり旅・イベント]

茨城日帰り旅行。御岩神社の続きです。
神様云々のマニアックなことは後述することにして、撮ってきた写真を載せますね。

今回は行けなかった奥宮から御岩山頂への参道。

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こんなルートになってます。片道約1時間。
トレッキングから遠ざかって何年経っているだろう。山登り出来る自信がないので、ちゃんと装備を調えて臨まないとです^^

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こちらが裏参道の入口。
トレッキングの格好をしたご夫婦が、拝殿で参拝したあとこの裏参道を入っていきました。気をつけて行ってきて下さい〜!

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今回はわたしは上らないので、これ以上近づいたら駄目よねって思ったんだけど、しめ縄の向こうの神域に足を踏み入れちゃいました。

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これでもう縁が出来たに違いない。絶対にまた訪れますって心の中で約束して戻ってきました。(ちゃんと出るときに一礼もしたぞ)

これで毎晩夢の中ではこの参道を歩くことになったらどうしようーなんて思ったけど、ちっともそんな夢みないわ。ちょっとつまらんw

ではそろそろ御岩神社をあとにしますかね。
ほんっと気持ち良い神社でした。新緑のグラデーションが美しい。
そして鶯の鳴き声が可愛い^^

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御岩神社の入口に珈琲を出す移動販売車が停まっていたのは気づいていたのだ。帰りに近づくとOPENしてました。御岩神社限定販売って書かれてます。せっかくなのでいただいていこうか。

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2種類のブレンドがあって、表と裏だって。表参道&裏参道から名前を取ってるのかな?
両方貰ってみることにしました。

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表が深煎りで、裏が中浅煎りなんだって。
私は裏を飲んだんだけど、程よい酸味があって個人的には好きな味でしたよ^^

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御岩神社境内で土・日・月曜日に不定期で出店してるみたい。オンラインショップもあるので、興味のある人は覗いてみてね。ワイン珈琲や和酒珈琲なんていうのもあったよ。どんな珈琲なんだろうね。

【Cafe Sfiato】
https://cafesfiato.thebase.in


さて、では次の目的地に向かいますか。

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ここからは昨日の続きで、神様ネタなので興味のない人はスルーしてね!

御岩神社の奥宮、かびれ神宮に祀られている神、そして御岩山(かびれの峰)に鎮まった神、立速日男命 (たちはやひをのミコト) 。
多分実在の人物もしくは一族で、朝廷が派遣した片岡大連に殺されたのだろうと思われます。

それがどんな人物なのかは分からないけど、朝廷によって誅されたのであれば、もともとこの土地に居た人たちだった可能性が高いよねえ。この記事を書いている時点では、まだ手元に常陸国風土記もないし、実際にわたしは奥宮まで歩いてないから、なんとも言えないんだけど。

常陸国風土記を読んだ人の記事によると、元々この地には土雲と言う名の国栖(くず)がいたと記されているんだって。なるほど、土雲=土蜘蛛は朝廷にまつろわぬ人々の呼称だからね。

でも他にも気になっていることがあるのだ。御岩神社の公式サイトにも以下のように書かれてるの。

『御岩山は古来より神々が棲む聖地として崇められてきた霊山であります。文献で初めて現れるのは、713年編纂の「常陸國風土記」に「かびれの高峰 (御岩山の古称) に天つ神鎮まる」と記され、考古学においても、それを裏付けるように、古代縄文人が神々を祀る祭祀遺跡等が発掘されております。』

他の資料でも、発掘されたものは縄文後期のものと思われるというのを見つけたよ。
つまりは、朝廷云々以前よりももっともっと昔から、縄文人達が祭祀をおこなうようなものがあったってことよね。それは自然崇拝の何か。山(神奈備)そのものだったり磐座だったり。
そして気になるもののもう一つが、立速日男命 (たちはやひをのミコト)という名前。

この神様は常陸国風土記にしか出てこないんだけど、似た名前を知ってる気がする。速日(はやひ)が引っかかるのですよ。



もともとこの国には文字はなかった。言葉だけがあった。
縄文時代はもちろん口語だけの世界。そして弥生時代に入り、渡来人が来て大陸から稲作技術が入ってきて、大陸との交流も進む。弥生時代の1世紀には漢字を目にする機会はあったけど、古墳時代を過ぎた5世紀頃、漢字が我が国にも導入された。

もちろん最初は渡来人の力を借りて、自分たちが言っていた言葉に一つ一つ漢字を当てはめていく。ここで落とし穴があって、今の中国は昔から自分たちの国が世界の中心で、その文化や思想が神聖なものであると自負する思想を持っているのだ。今の言葉だと中華思想だね。

縄文の頃から、日本人は自分たちのことを多分「わ」と呼んでいたので、漢字で「倭人」って付けられるの。「倭」なんていう蔑んだ漢字を使われるのよ。卑弥呼だって、「ひみこ」という言葉に、卑しい「卑」なんて漢字をあてられるのだ。

6〜7世紀の飛鳥時代になると、我が国でも漢文で書かれたものを読める人が出てくるけど、まだ漢字の意味を深く知らないので「古事記」では単に音だけで、本来はあまり意味の良くない漢字も平気で使われてるの。
漢字の持つ意味を知っていくようになった「日本書紀」では、神様の名前にあてる漢字も変えられていって、そして倭国から日本に名前も改めるのだ。



そんなわけで、縄文の神のことを知りたければ、漢字に惑わされてはダメで、音を重視しないといけないと、神職でもある戸矢学氏は言ってるの。(この人の本は好き)

本棚にある縄文関係の本を物色して探したよ。常陸国風土記に出てくる立速日男命 (たちはやひをのミコト) のヒントを。速日、はやひ……あった。

「はやひ」は、きっと隕石のことだ。

日本書紀に出てくるニギハヤヒという神は「速い日」「速い火」で隕石の火の玉であろう。おそらくその様を目にした人々は恐れを込めて最大級の破壊の神として祀ったと書いてる。そんな神が物部氏の祖神になるんだけどね。
ちなみに縄文色の強い熊野大社に祀られている速玉神も、もともとは隕石落下のことではないかって言われてます。

もしかしたら、ひたちの国に住んでいた縄文人は、かびれの高峰に隕石が落ちるのを見たのかもしれない。実際には大気圏で燃え尽きたとしても、かびれの高峰に落ちたように見えたかもしれない。
めっちゃ速い光が天から降臨したように見えたのかも。

ハヤヒが現れたなんて言って、その名前がどんどん立派になっていって……
そんな神が降臨した山を祀る縄文人を想像したら楽しくなりましたわ(笑)


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主に参考にしたサイトと本

ことば研究館
https://kotobaken.jp/qa/yokuaru/qa-66/

日本史の時代区分と各文化の特徴
http://www.hello.ac/period.classification.pdf

縄文の神 戸谷学 河出書房

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わたしも西新宿で隕石が飛んできたのに遭遇したことあるのだ。
ロケット花火かと思うような凄い音がして上空を何かが飛んでいって、翌日のニュースで隕石だったことを知ったのよねw



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