SSブログ

『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』で修復後のフェルメール作品を観たよ [アート]

10日は上野の東京都美術館で開催中の『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』に行ってきました。ドレスデン国立古典絵画館所蔵の作品が観られます。

なんと言っても目玉はフェルメールの『窓辺で手紙を読む女』です。
今まではこういう作品として観てきました。

IMG_5174.JPG

でもホントは壁面にキューピッドが描かれていることが、1979年のⅩ線調査で分かっていたんだよね。画家自身が消したと思われていたんだけど、その後の調査でフェルメール以外の人物によって消されたことが判明。それが分かったのが2017年。

2018年から上塗りされた箇所を取り除く作業がすすめられて、2019年9月にフェルメールが描いた本来の作品に甦ったのでした。

0101.jpg

誰がどんな目的でキューピットを消したのかは謎だけど、この作品がドレスデンコレクションに加わったときはレンブラントの作品って言われていたんだそうな。18世紀当時、フェルメールは有名画家ではなかったので、レンブラントらしい作風にするためにキューピットを消したのでは? とか何とか……

朝9時半の回で館内に入ったので空いてました。
フェルメールの作品もじっくり鑑賞できたので満足。壁になにも描かれていない作品よりも、キューピットの微笑みがとても温かくて、この女性が読んでいる手紙は間違いなく恋文で、素敵な内容が書かれているんだろうと想像できる。ほのぼのした気分になりました。

この修復後の作品。
所蔵しているドレスデン国立古典絵画館以外で公開されるのは日本が初めて。
あまり意識してなかったけど貴重なものを観たんだわw

他に気に入った作品はこちら。
メルヒオール・ドンデクーテルの『羽を休める雌鶏』

03.jpg

この頃の作品って、鶏は吊されて調理される前の状態のものが多いイメージだったんだけど、生きている鶏が描かれてました(笑)
ふわふわの羽が気持ちよさそうに見えたのだ。この画家さんは全然知らなかったんだけど、動物の中でも鳥に特化して「鳥のラファエロ」と呼ばれた人物のようです。

この展覧会を観に行く数日前、タイミング良く旧約聖書に関する絵画の本を読んでいたの。

IMG_5176.JPG

なのでヤン・ステーンが描いた『ハガルの追放』というタイトルの作品を観たとき、あれ? って反応しました。
アブラハムの奥さんサラが、アブラハムの子供を産んだ女奴隷ハガルとその子供を追放させた話を読んだばっかりだったから^m^

02.jpg

この話を知らなかったら、泣いてる女性を追放しようとしてる良く分からない絵って思っただろうなあ(笑)

お土産はフェルメールの絵葉書2枚。
1枚は貴重な図録を譲ってくれたぽん太さんに送ろうと思ってね。展覧会を観に出てこられないだろうから。

IMG_5173.JPG

ランチは館内でビーフカレーです。
今日はこのあと東京国立博物館に移動して、空也上人の像を観るから腹ごしらえなのだ!

IMG_5150.JPG

というわけで、展覧会の記事はつづく。


*****
ドレスデン国立古典絵画館所蔵『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』
東京都美術館
2022年2月10日〜4月3日
https://www.dresden-vermeer.jp/



nice!(80)  コメント(40) 
共通テーマ:アート