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「あやしい絵」展を観てきました [アート]

東京国立近代美術館で開催中の『あやしい絵』展に行ってきました。
今回の展覧会は事前予約制。初日の一番最初の時間帯を予約したので、9時少し前の地下鉄に乗りました。普通にラッシュだったわ^^;
毎日こんなふうに通勤してる人たちも大変だなぁと思ったよ。わたしなんて月に1回くらいのペースでしか電車に乗ってないもんなぁ。

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さて。今回の展覧会は一度観たら忘れられないような、どこか妖しい作品を集めた展覧会です。物語や伝説などに魅了された作家たちの独自の世界も展開されてますよ。最初のフロアに居る猫が案内役。

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【稲垣仲静 『猫 』大正8】

普段は桐生歴史文化資料館で常設展示されている生人形『白瀧姫像』も来ていました。生人形師の安本亀八が1893年に米国シカゴの博覧会に出品したものなんだって。遠目で観ると、けっこう生々しかったです。

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幕末の動乱による不安がもとになっている作品、西洋文化が入ってきたことによって変化した価値観。人間の欲望を赤裸々にした作品もあり、愛や苦悩、嫉妬などなど、身近にある感情を表現した作品もありますよ。会場でぜひぜひ堪能してください^^

情念という点では、やっぱり道成寺の「安珍清姫」伝説かな。
話の内容を知りたい方は、道成寺のサイトを見てね。

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【小林古径 『清姫 鐘巻』昭和5】

蛇と化した清姫が鐘に巻き付くシーンは、いろんな画家が画にしていて、それぞれ個性があるので何処かで見かけたら楽しんでください。

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今回惹かれた作品はコチラ。島成園の無題の作品。大正7年のものだそうです。
女性の顔は島成園自身みたい。この女性の何を思っているのか良く解らない表情に惹かれました。

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あざのある女性の運命と世を呪う気持ちを描いたそうな。でも島成園自身は本当はあざはないそうです。

写真撮影がNGだった上村松園の『焔』はポストカードで。

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トーハク所蔵の作品で、この作品を観たのはもう何年も前だけど、忘れられない言葉があるのだ。上村松園曰く。鏑木清方が描く女性は、男性から観た女性の理想が入っていて「美人」すぎるんだそうな。上村松園は、そういう女性の表面的な美しさじゃなくもっと内面のどろどろした部分も描こうとしてたみたい。なるほどなーって思った記憶があります。
この『焔』も単眼鏡で表情を観ると怖いですよww

それから青木繁の『黄泉比良坂』も展示されてました。

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黄泉比良坂(よもつひらさか)といえば、イザナギさんとイザナミさんの物語。
古事記に出てきますよ。書くと長くなるし、ブログに何度も書いてるのでお話しは割愛!(笑)
まあ、桃が厄除けとして大事にされるようになったことが分かる話でございます。

この作品は東京藝大の美術館所蔵で、数えるほどしか観てないので貴重だったわ^^
じっくり観察しちゃいました。

迫力のある作品、妖しい美しさのある作品が堪能できる展覧会です。
夏には大阪にも巡回するので、興味がある人はチェックしてくださいねー。
(あ、でも『焔』は東京会場だけなのだ^^;)

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あやしい絵展
東京国立近代美術館
2021年3月23日〜5月16日

【巡回】大阪歴史博物館
2021年7月3日〜8月15日

https://ayashiie2021.jp/

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このあとは常設展示で花見を楽しみます。
そのあとランチをしたので、食べた物などは次回の記事で(笑)


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