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『琳派と印象派 東⻄都市文化が生んだ美術』を観ました [アート]

17日はアーティゾン美術館(旧・ブリヂストン美術館)に行ってきました。展覧会は『琳派と印象派』です。

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17世紀初め、京都の俵屋宗達に始まり、18世紀初めの尾形光琳、19世紀初めの江戸で酒井抱一や鈴木其一。時代と場所を超えて引き継がれていった琳派。
そしてヨーロッパでは19世紀後半のフランス・パリを中心に興った印象派。

この展覧会は、大都市ならではの洗練された美意識の到達点を比較しようという試みです。同じ空間に琳派の作品&印象派の作品が並ぶ、なかなか斬新な展覧会でしたよ。

琳派作品は大好きです。
そして原田マハの『風神雷神』を読んだばかりなので、もともと好きだった俵屋宗達に親近感が湧きまくり(笑)
この展覧会、基本的に撮影OKです。撮影不可の作品にはNGマークが付いてますよ。そしてさすがに俵屋宗達の作品は撮影不可が多い^^;
借り物だから仕方ないか。所蔵作品は撮影OKって感じかな。

最初は都市の比較からスタート。
洛中洛外図屏風で京の町を楽しみ、カミーユ・ピサロの作品でパリの風景を楽しむというような感じに、日本画&洋画それぞれで町の違いを比較できました。そのあとは水の表現の違い、郊外への憧憬の違いなどなど、比較できて面白かったな。

好きな作品をパチリしてきたので載せちゃおう。
鈴木其一の『藤、蓮、楓図』の楓図のアップです。今の季節にピッタリで美しかったのだ。

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新所蔵品。尾形光琳の『孔雀立葵図屏風』(重要文化財)が展示されていました。
これは引き込まれたわ〜〜。

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ポール・ゴーガンの『馬の頭部のある静物』はオリエンタルな雰囲気が漂います。

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鈴木其一の『富士筑波山図屏風』は其一が実際にそのポイントに立って目にした情景を描いているようです。日本の絵画に於いて実際の景色に基づく絵が描かれるようになったのは江戸時代からなんだそうな。

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確かにそれ以前だと、合戦図だったり、松に鷹図、源氏物語絵巻のような感じだものね。
なかなか面白い展覧会でした。
さて、このあとは別のフロアにある特集コーナーも観ていきます。

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『青木繁、坂本繁二郎、古賀春江とその時代 久留米をめぐる画家たち』です。毎回異なるテーマにより収蔵品に新たな光をあてる企画展示だそうな。永らく非公開だった作品の展示もありましたよ^^
気になる人は観に行ってね〜(笑)

さて。わたしはアンリ・ルソーがあるとパチリするのだ。何度も観てるのに何度もパチリする『牧場』です。

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青木繁の『大穴牟知命』です。久しぶりに観た〜!
「おおなむちのみこと」と読みますよ。出雲大社の祭神・大国主命の別名ね。これは古事記の一場面を描いたものだよ。

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オオナムチが横たわっていて(死んでます)、そこに女の人が二人居て、一人は乳を出そうとしているところから、この女の人は赤貝と蛤のヒメだと分かるのです^^
オオナムチはヤカミヒメの心をゲットしちゃったのでお兄さん達の嫉妬にあうの。そして兄さん達が転がした焼けた岩石を受け止めたがために焼死するのだ。

オオナムチのお母さんが生命を司る神さまにお願いをして生き返らせてもらうんだけど、そのときに登場するのがこの2人。蛤の汁(絵だとお乳)を体に塗ってオオナムチは見事復活するのでした^^
ああ、古事記の話を書くと長くなる。ごめんなさい。

旧約聖書の話もこのくらい知っていたら、宗教画を観ても楽しいのだろうなーといつも思う・・・真面目に読んでみるかなあ。。。





脱線しましたが見応えのある展覧会でした。
そうそう。俵屋宗達の『風神雷神図屏風』は、後期展示ですよー。わたしは何度も観てるので、前期展示の俵屋宗達『舞楽図屛風』を観に来たんだけど、やっぱり風神雷神も観たくなるな(笑)

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後期展示も行こうかな^^

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琳派と印象派 東⻄都市文化が生んだ美術
アーティゾン美術館
2020年11月14日〜2021年1月24日
※ 前期:11月14日〜12月20日
※ 後期:12月22日〜1月24日
10:00〜18:00
https://www.artizon.museum/exhibition/detail/45


いつもだとココでランチ写真が載るのですが、長くなったので明日にします。


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