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面白かった「ミイラ」展 [アート]

11月6日。上野へGO!!
朝から国立博物館を経由、国立科学博物館へ。
正倉院展の後期展示が始まったので行ってきたのですが、やっぱり混雑している館内では作品から刺激を受けることは出来ず。前期展示のあの空間は良かったな〜と思いながら、東洋館の企画展を観て、そのあと国立科学博物館へ行きました。

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特別展の時のルートは常設展に行くルートとはチョット違う。そのときに観られるD51の側面。

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今回は、国立科学博物館の「ミイラ展」を先に記事にします^^

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狙っていたわけではないけど、ちょうどミイラに関する本が図書館から届いて読んだばかり。いつもの科学博物館なら、写真撮影はOKなのですが、さすがミイラの展示となると制限もかかるのかな。写真撮影はNGでした。もちろん図録を買ったので、その写真を撮って記事にすることも出来るけど、やっぱりミイラは人間の死体なのでね。
展覧会でNGにしているという意向をふまえ、載せるのはやめます。

でも、図書館で借りた「教養としてのミイラ図鑑」の写真は載せてみる!(笑)
あ。一応図録の表紙は載せよう。

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ミイラ。英語なら Mummy...
わたしは変わった子供で、小さい頃からミイラに惹かれてました。まあ、ミイラに限らず仏壇や神棚も大好きで、コビトになってそこに住みたいと思っていたからネ(笑)
小学生か、入学前か。そんな頃、地域の集会場で期間限定の英語教室が開かれたのです。どうして参加したのか記憶にはないけど、その英語教室に通いました。

先生は、みんなの英語の名前を決めましょう!と最初の時間に言いました。
男のならトム、ジョニー、そんな名前が出てきて、女の子はアン、ジェーン、などなど。わたしも最初は赤毛のアンの「アン」がいいなーなんて思っていたのですが、他の子の名前になりました。
そのとき浮かんだのが「ミイラ」
ただ、当時のわたしはまだ小学生以下。ミイラがマミーという英語だとは知らなかったハズ。でも、おそらく「ミイラ」がいいとわたしが言って、先生は「Mummy」を教えてくれた気がします。

そんなわけで、わたしの名前は「マミー(Mummy)」になったのでしたww
今思えば!!リュカというハンドルネームを使っているけど、人生の最初はマミーだったんだ(笑)
何を教わったのか、全く記憶になく、いまだに英語は全然喋れませんが、その Mummy の記憶だけは残ってます。

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※ この先に出てくる画像は、この本の中の写真です ※

さてさて、展覧会、
ミイラというと、まっさきに浮かぶのはエジプトのミイラでは??
でもじつは、最古のミイラはアメリカのネバダ州にあります。えー?アメリカなんてエジプトに比べればあとじゃん!なんて思うけど、「ミイラ」というカテゴリーではそうなるみたいです。人骨とは違う。
ネバダ州のミイラは約一万年前。そしてエジプトでミイラ作りが始まったのは約5000年前。

会場には地域ごとのミイラが展示されていました。
まずは南アメリカのインカ&アステカの頃のミイラ。この頃は子供が生け贄として大事にされ、そのあとコカなどのお酒を飲まされて殺されました。今の感覚では分からないほど、生きることに厳しかった時代。いちばん大事なものを神に捧げるという気持ちも、分からなくはない。

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インカ&アステカはミイラ作りも進歩していたので、遺体を少しうつむき加減にします。そうすると口がパカっと開かないで、美的センスが保たれるのだ。

エジプトもミイラ作りに技術が用いられた国だね。
ファラオはもちろんのこと、時代が下ると一般市民もミイラになる。エジプトの宗教も面白いです。これは、この展覧会前に、トーハクで観てきた展覧会と絡めて、そのうち記事にします。

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ミイラ展では、このあとヨーロッパのミイラも紹介されます。
それは湿地ミイラ。わたしのなかで、湿地ミイラの代表的存在はトーロンマン!!

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発見されたとき(1950年)は、最近の殺人事件だと思われたくらい保存状態が良かったのだ。でもこのミイラは鉄器時代初期の人間。湿地という特殊な環境(強酸性・低温・酸素欠乏)でミイラになったのです。
湿地ミイラの特徴は、喉を切り裂かれたり、羊の毛で絞殺されたり、相当の強打を受けていたり、他者によって殺された痕跡があること。ヨーロッパの鉄器時代、どんな人生観だったのか興味があります。
ミイラ本には載っている16歳で殺害された「イデガール」のミイラと生前の彼女を復元した姿が、展覧会では展示されていました。


ヨーロッパの教会にはミイラや頭蓋骨で装飾されたものも多いんだけど、それは聖餐が行われる祭壇の下には、聖人の聖遺物が埋葬されていないとダメだからのようです。そして神から選ばれた人は不朽体になるという教義があるので、ミイラを教会に保管するみたい。





展覧会はこのあと、オセアニア&東アジアのミイラにうつります。
古代エジプトを卒論のテーマにした身で言うのもなんだけど、正直、インカやエジプトのミイラよりも、こっちのほうが身近に感じるの。だって、ミイラになるのは生け贄や偉大な人物ではなく、肉親だから。

この展覧会の図録に載っている写真は載せない!と決めたので載せませんが、観ていてほっこりするミイラ(頭蓋骨)ですよ。
眼球があったところには貝を埋め込んで頭蓋骨を装飾。
生前に似せた姿にしてるらしく、生きていた頃はきっと良く笑う人だったのかもしれないなと思えるような装飾。

アジア地域は湿度があるのでミイラを作りには向かない環境。肉親によって何ヶ月もじっくり燻されて燻製にされるの。その工程を展覧会では映像で流していました。
故人を大切に思う肉親の気持ち、そして死後も傍にいてくれるという安心感。観ていて涙が出ます。
これを大航海時代、西洋の人々は「野蛮」な行為として禁止する。
インカのミイラもスペイン人によってほぼ全て破壊されてるからね。昔、展覧会でインカの人にとっては異国の神(キリスト)の母・マリアが火を噴いて自分たちの国を滅ぼすという作品を観たけど、本当に、一方的な価値観で他者の文化を排除するのはいかがなものか。

最後は日本のミイラ。すなわち即身仏です。
穀物を絶ち、木の皮などを食べる木食修行をしていくなかで、身体にヒ素(防腐剤の役目になる)が少しずつ蓄積する僧侶。多湿な日本で、即身仏になるのは本当に大変。彼らは身体の内側から肉体の成分を変えていったんだろうなあ。それはひとえに、「民衆を救いたい」という思いから。

この展覧会では江戸時代のミイラと、本草学者のミイラ、そして福島県・貫秀寺の弘智法印宥定(ゆうてい)の即身仏が展示されていました。
いやー、さすがに即身仏は、そこに至るまでの修行の苦痛を思うと、手を合わせたくなりました。

すごくすごく考えさせられる展覧会。
ミイラって人間の文化を考えると本当に奥が深いです。興味本位で見世物にされたり、漢方薬にされたり、いろいろあったけど、これからは「人間の死生観」や「人類の疾患」の研究にも役立ってほしいです。ミイラを調べると、どんな病気に苦しめられていたか分かるみたいよ。

最後は、この言葉で締めくくろう!
「人間は死すべき存在であることを忘れるな」ー メメント・モリ ー

だからこそ、いっぱい生きようね!


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ミュージアムショップで買ったのは、可愛かった今治タオルのハンカチww

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そして会場内にあった、自分がミイラになれる機械。
わたしはツタンカーメンのマスクになってみたよ。

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FBでお友達になってる人は、ぼかしなしで見られます(笑)

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ミイラ ー「永遠の命」を求めて
国立科学博物館 上野公園
2019年11月2日〜2020年2月24日
https://www.tbs.co.jp/miira2019/

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