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サントリー美術館の「黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部」を観ました [アート]

「嬉しそうに出掛けていったにゃ」

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秋の展覧会シーズン到来です。
この日はサントリー美術館の「黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部 -美濃の茶陶」を観に行きました。

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焼き物はあまり詳しくないので、学芸員さんの解説も聞こうと思って、休館日におこなわれた「メンバーズ内覧会」に参加です。

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桃山時代、茶の湯のための新しい日本の焼き物が創造されました。美濃地方(岐阜県の可児市、多治見市、土岐市あたり)で花開いた焼き物がもてはやされたそうな。
そんな美濃焼も、江戸時代(17世紀)になると勢いを失って、桃山時代の美濃焼は産地すら分からなくなったそうだけど、近代になって再び人気が出たとのことです。
財をなした実業家が「近代好奇者(すきもの)」となり、コレクションしていったんだねえ。

この展覧会では、桃山時代の美濃焼の紹介と、その美濃焼の美意識を自らの表現へと昇華させた陶芸家・荒川豊蔵と加藤唐九郎の代表的な作品も展示されていました。(どちらも初めて聞いた名前ですw)

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桃山時代の黄瀬戸。これは中国からの輸入品(華南三彩鉢)に似たものなんだそうです。鬼板と呼ばれる鉄絵具を使って筆書きしたことで、多彩な表現が出来たそうな。
瀬戸黒は漆黒の釉。当時は斬新な茶碗だったと思われます。

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なんで「瀬戸」なのかというと、当時の使い手が美濃窯と瀬戸窯の区別が付かなくて、一括りに「瀬戸」と理解したためなんだとか。美濃窯・・・なんか可哀相(笑)

今回の展覧会で気に入ったのは「鼠志野(ねずみしの)」と呼ばれる焼き物です。

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焼き物の展覧会で、志野焼は何度も見ていたのですが、こういう鼠色の志野焼は見たことがなかったの。色合いがとても柔らかく、味わい深くて好みです。

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鉄泥を化粧掛けしたときに、掛け残しが出来る白い部分を、いろいろな自然に見立てて絵を描いたそうな。たとえば上の写真だと、木が生えている崖の部分が掛け残し。崖に見立てて、鉄泥が掛かった部分を削って木を描いたんだそうです。作り手のセンスがそれぞれ出ていて楽しかったですよ。

それから「土型」というものも展示されていました。
土で器の型を作ることによって、大量生産が実現されたうえに、円形や円筒形の器から解放されて、自由な造形の器が作られるようになったんだって。

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こんな複雑な器も作れるようになったのかな。
桃山時代の「土型」は、現在のところ、今回展示されていた 2 個しか発見されていないそうです。貴重なものを見ちゃったわ^^

いろいろ勉強になった展覧会&レクチャーで面白かったです。
このあとは同じく六本木にある美術館へのハシゴ。なので、ラーメンの写真は次回ネw

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「黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部 -美濃の茶陶」
サントリー美術館
2019年9月4日〜11月10日
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2019_4/

※ ちなみに、この展覧会が終わるとサントリー美術館は長い閉館期間に入ります。
改修工事がおこなわれるそうで、2020年5月中旬頃 OPEN の予定だそうですよー

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