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松方コレクション展を観てきたよ。勉強になりました。 [アート]

国立西洋美術館で始まった「松方コレクション展」
初日の夕方に行ってしまいました^^
昼間に降っていた雨もあがったので、閉館時間まで居るつもりで15時半ころに到着。

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神戸の川崎造船所(現・川崎重工業)の初代社長などを務めた松方幸次郎。彼の集めた作品の多くが国立西洋美術館の所蔵品になっているのは知っていたけれど、戦争によって多くのコレクションが失われていたという事実は知らなかったので、いろいろ思うところのある展覧会でした。

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松方がモネと直接交渉して手に入れた作品もずらりと展示されていましたよ。

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19世紀。洋画を学ぶ日本人は、本場の作品を見ていない。本当の洋画を日本に持ち帰り、美術館を作りたいという思いが松方にはあったそうな。で、造船業で得た資金で多くの作品を買ったんだって。昭和金融恐慌、第二次世界大戦、これがなければ彼が思い描いた「共楽美術館」が東京に完成していたのかしら。(まあ、もともと財をなすことが出来たのは第一次世界大戦のおかげなんだけど。それを思うとフクザツね)

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ちょっとした面白いエピソードも紹介されていたよ。
1921年の渡欧時に、松方は海軍からドイツ潜水艦の設計図を手に入れるよう指示されていたようで、とにかく作品を買い集めてはどんどん日本に送っていたんだって。その中に設計図を忍び込ませていたのでは?というもの。そういう話を聞くと、松方氏の裏の顔も知りたくなります(笑)

展覧会のなかで、第三章の「海と船」のフロアは、造船業だった松方が集めるのにふさわしいコレクションだなーって思いました。
彼が 1910~20 年代にヨーロッパ各地で蒐集した美術品のコレクションは、浮世絵約 8000 点、西洋絵画、素描、版画、彫刻、装飾芸術品などを合わせると 3000 点近くにもなるの。その多くは消失したり散逸したりしたようです。ロンドン倉庫に保管していた約 900 点は火災で焼失だって。

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第二次世界大戦になると、パリにある松方のコレクションは敵国人財産ってことで没収されて、戦後もフランスが返却を拒否した作品もいくつか。ゴッホの有名なこの作品も、結局はフランスのものになってしまったのよね。

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今まではルノワールのこの作品を見ても、作品そのものしか見ていなかったけど、こうやって歴史を知ると、いろいろな運命を辿って、西洋美術館の所蔵品になったんだなって感慨深く思えました。

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最後のフロアに飾られていたモネの作品。
2016年フランスでカンヴァスの上半分が失われた状態で発見された「睡蓮、柳の反映」
松方コレクションだということで、松方家に返還され、2017年に国立西洋美術館に寄贈。約1年の修復期間を経て、展示されてます。

実物は上半分は失われてますが、AI によるデジタル修復の映像は写真撮影 OK だったのでパチリしてきました。

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ナチス軍の略奪から逃れるために作品を疎開させた村での保存状態が悪かったんだね。
でもこうやって復元されたものを見ることが出来たのが良かったです^^

西洋美術館の所蔵品が多いので、何度も見たことのある作品だったけど、ここにある背景を知ることが出来て、得るものが多い展覧会でした。面白かった!

あ、そうそう。
第一章と第二章の作品が展示されているフロアは、作品がかなり高いところまで展示されているので、目の悪い人は見えないと思います。なので、オペラグラスのようなものを持って行った方がいいよー。

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松方コレクション展
国立西洋美術館
2019年6月11日〜9月23日
https://artexhibition.jp/matsukata2019/

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ZEPETO さん、無課金の人は広告を見てコインをゲットするのですが、その広告がエラーになって読み込めないのです。当然コインは手に入らず、新しいお洋服もなかなか買えません。

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みんなが傘を差してる写真を撮っていたので私もパチリしてみたよ。
淡路島の沼島、おのころ神社での一枚^^

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