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今年最後の展覧会は「廃墟の美術史」 [アート]

2018年、最後を締めくくった展覧会。
渋谷の松濤美術館で開催している「終わりのむこうへ:廃墟の美術史」です。

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ソネブロにも廃墟ハンターの方がおりますが、わたしも「廃墟」という言葉の響きが結構好きです。
日本美術史の中では、まれな例外を除いて近代までは廃墟を描いた作品はなくて、鑑賞の対象とはされてこなかったようです。でも西洋美術では風景画の一角に繰り返し描かれてきた廃墟。まあ、この場合はギリシャ・ローマ時代の遺跡なども含まれるんだけど^^

この展覧会では、ポール・デルヴォーの作品がけっこう観られることが分かったので行ってきたのでした。デルヴォーは幻想的な世界を描くんだけど、その中に廃墟や神殿が描かれていて、やっぱり「廃墟」と言ったらわたしはデルヴォーが浮かんでしまうのだ^^

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ローマの古代遺跡を描いた作品(ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ作)がパネル展示されていました。これは撮影OKだったよ。

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18世紀から19世紀には、ヘルクラネウムやポンペイ遺跡などの発掘が相次いだので、廃墟というものに関心が高まったみたいです。
日本では洋画教育の中で「廃墟」が伝播したそうで、海外留学組が実際に見てきた神殿跡などを描いたんだって。確かに神殿跡なんかは、描きたい!って思う気持ちも分かるなあ。

こういう草が生い茂る風景も、過ぎ去った文明を感じるよね。

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人間の営みと過ぎ去った時間。何とも言えないノスタルジー。

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ポール・デルヴォーの作品も堪能してきました。
こういう作品です^^

03.jpg 【海は近い】

19世紀から20世紀に活躍したベルギー生まれの画家です。
観る人によって、いろんな思いが湧いてきそうな作品。月明かりの中にたたずむ女性達は現実の世界ではないところに存在していそうで好き。

現代作家による、未来の廃墟作品もいろいろありましたよ。

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廃墟になった渋谷の風景。
朽ちて自然に覆われていく国会議事堂の作品もありました。

この白い廃墟世界も、なんか惹かれました。
穢れのない廃墟っていう感じで、このまま永遠に残っていてほしいと思わせる雰囲気^^

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時が止まったかのような静かな空間で、いろいろな廃墟風景を楽しみました。

どんなものもいつかは無くなっていくんだよね。そんなふうに思った展覧会。わたしが働いている会社も来年解散が決定になったので、いろいろ重ねながら、まさに今年最後にふさわしい展覧会だったなーなんて思って観てきたよw

ランチは駅に戻る途中にあった俺流のラーメン屋サンで。冬季限定のゆず辛塩ラーメンだったかな?

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お腹いっぱい^^

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終わりのむこうへ : 廃墟の美術史
渋谷区立松濤美術館
2018年12月8日~2019年1月31日
http://www.shoto-museum.jp/exhibitions_current/

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