SSブログ

サントリー美術館の広重ビビッド展を観てきました [アート]

5月17日は、サントリー美術館で開催中の 「広重ビビッド」 展を観てきました。
この日は休館日なんだけど、メンバーズ内覧会だったのだ。なので混雑しないでゆっくり作品を観ることが出来ました。

カタログ

今回の展覧会は凄いの。原安三郎という人のコレクションで、歌川広重の晩年の代表作、「名所江戸百景」 と、摺り物自体が稀少な 「六十余州名所図絵」 の初摺 (しょずり) を全部観ることが出来るんです。
この原安三郎のコレクションは今まで殆ど公開されてこなかったので、作品自体が退色してなくて、広重が摺りに立ち会って OK を出した当時の色が残ってるの。

グラデが綺麗
六十余州名所図絵

浮世絵は、摺りを重ねていくたびに版木も劣化してくるし、後摺 (あとずり) には絵師 (広重) は立ち会わないので、摺りが簡略化されたりしちゃうんだって。
なので初摺を観られる機会はとっても嬉しい^^

紫
六十余州名所図絵

紫色は退色が早くて、光に当たっていると茶色に変色してしまうんだそうな。
今回展示されている浮世絵は、殆ど人目に触れてこなかったので、まだ空の紫が残っていて感動。とっても保存状態が良いんだってことが分かったよ。

滝も美しい
六十余州名所図絵

今回のタイトル、広重ビビッドというのが分かるくらい、色鮮やかな世界が広がってました。版木の木目を利用して、滝の水を表現していたり (板目摺りと言う)、観ていて面白かったです。

六十余州名所図絵の 「江戸 浅草市」 の初摺と後摺を比べることも出来たよ。
左が初摺で、右が後摺。

どうかな?

初摺は空がグラデになっているけど、後摺は藍色一色でべた塗りされてます。
この画像では分からないけど、後摺になると版木も歪んできてるので、民衆の顔が横に長くなったり、色のズレが生じてるんだよ。

名所江戸百景は、身近な場所がたくさんあって親近感が湧くね ^^
普段の生活圏内の景色なので、楽しく観ることが出来ました。

亀戸の梅の浮世絵では、緑のグラデーションがとっても綺麗。これも後摺になると、緑一色のべた塗りになるんだそうな。

良い色だ

それから初摺ならではの失敗も(笑)
これは、亀戸天神の太鼓橋なんだけど、橋の下・・・ホントは空と同じ色にしなくちゃいけないのに、間違えて池の色と同じにしちゃったんだって。

わはははw

その後はちゃんと修正されたみたいですよw

これ以外にも葛飾北斎の幻のシリーズ 「千絵の海」 も展示されてました。
千絵の海というのは、日本各地の水辺の景色を描いた揃い物で、10 図あるんだけど、すべてが揃っている所蔵先は殆ど無いんだって。パリのどこかの図書館にはあるらしいのですが、アルバム仕立てになっているので、今回の展覧会のようにズラリと並べて観ることは出来ないんだそうな。

じゃじゃーん

恐るべし原コレクションです。
観る価値あり!の展覧会ですよー。でもけっこう混雑してるらしいので、ゆっくり時間を作って観た方が良いと思います。

6月3日 20:30 から、TBSチャンネル1 (CS放送) で、「名所江戸百景〜昔と今」 という番組をやるみたい。録画しようと思います。
http://www.tbs.co.jp/tbs-ch/item/i0121/

後期の展示は5月25日なのでまた行くぞー!

-------------
広重ビビッド
サントリー美術館
2016年4月29日〜6月12日
10:00〜18:00 ※金・土は20:00まで
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2016_2/
-------------

展覧会後は、TETSU のつけ麺。

満腹

【おまけ】
暑くなってくると、洗面所のひんやりがお気に入りになるあお君でした。

ボクのベッド

nice!(94)  コメント(34)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート