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「ヴァロットン ― 冷たい炎の画家」展を観ました [アート]

チョット時間をさかのぼり、お盆休みの初日。
三菱一号館美術館で開催している 『ヴァロットン ― 冷たい炎の画家』 展を観てきました。

美術館です

この作家のことは全然知らなかったのですが、他の美術館でチラシを見て気になってはいたんです。このちょっとどこか怪しげな雰囲気の作品。
女の子がボールを追いかけているだけなのに、ただそれだけの絵なのに、なにか胸がザワザワ。

今回の図録

ヴァロットンは、スイス生まれの画家。16歳でフランスに移住して、パリで活躍したんだそうな。三菱一号館美術館で所蔵している作品やオルセー美術館が所蔵している作品などを集めた、日本初の回顧展です。

美術史では、「ナビ派」 に属するヴァロットン。でもナビ派というものがどういうものなのか、私は詳しく分かりません(笑)
専門家じゃないので、そのあたりは深く考えずそれぞれの作品を楽しんでまいりました。

やっぱり印象に残ったのは、このチラシやチケットにもなっている 『ボール』 という作品。
複数の異なる角度からの写真を組み合わせて描いているので、現実に近い景色でありながら、現実とはちょっと違和感があって、ざわざわとした感情がわき上がります。

オオカミの口みたい

少女に迫り来る木々の影が、なんかオオカミの口のように見えてきちゃったのよね。
次のシーンで、少女は???っていろいろ妄想しちゃいます。

ヴァロットンの人生で恋愛面に劇的な変化が起きた時期に制作された木版画連作の 『アンティミテ』 という作品。このシリーズはすごく好きでした。

スタイリッシュな室内装飾。
一見、仲むつまじいカップルに見えるけど、どこか嘘がちりばめられてる感じ。

スタイリッシュな世界

男性の背後は黒一色。
いろいろな気持ちが湧き上がるわーー(笑)
多分作品を観る側も、男性と女性では違った感情が湧いてきそうです。

ちょっとムンクも思い出す

ヴァロットンは夫、妻、愛人、情婦という登場人物の婚姻関係は明確にせず、風刺を効かせた作品を描いていたようです。

こちらの作品 ↓ を見たとき、人物はどこかよそよそしさを感じるんだけど、反対に猫はとても生き生きと描かれていて、ヴァロットンが心をさらけ出せたのは猫だけだったのかなーなんて思ってしまいました。猫好きだったのかは知らないけどね(笑)
でも猫を見つめるヴァロットンの眼差しは優しかっただろうななんて感じました。

猫だけが自分を出せた?

この、『赤い絨毯に横たわる裸婦』 は、なにげに挑発的な眼差しで好きだな。

綺麗です

でも、この作品を見たとき、長谷川りん二郎の 『猫』 が浮かんだ人は私以外にも居るはずだ!(笑)
ほら、色使いとか構図がよく似てる^^

1966年の作品。長谷川りん二郎の猫

長谷川りん二郎のこの作品は1966年。ヴァロットンは1909年に描いてるので時代はだいぶ違うんだけどね。

この版画も個人的に好きな作品。
ジャポニスムを感じさせるようなクッションやベッドカバーの模様。
そしてそこに気だるそうに横たわる白い裸婦の体がとても引き立っていました。
猫もポイント高い(笑)

ベッドカバーがステキだよ

ヴァロットン。初めて知った画家でしたが、結構好みでした^^
ヴァロットンが女性に対して抱く破滅的要素。このへんがデルボーと似てるからなのかなあ?

これ ↓ がデルボーの作品ね ^^

ポール・デルボーです

美術館を出た後は、KITTE のばいこうけんで味噌ラーメンを食べました。
前回食べたときは感じなかったのですが、今回は麺が乾麺っぽく感じてチョット残念。

麺がちょっとね

でも野菜がたっぷり入っているのは嬉しかったです^^

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ヴァロットン ― 冷たい炎の画家
三菱一号館美術館
6月14日(土)〜9月23日(火・祝)
10:00 ~18:00(金曜(祝日除く)のみ20:00まで)

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