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五百羅漢―増上寺秘蔵の仏画  幕末の絵師 狩野一信 [アート]

震災の影響で開催日が変更になった五百羅漢展。
5月29日に行ってきました。

2300円の図録です~

羅漢とは釈迦の弟子です。
釈迦の法を求め、それを悟った人という感じでしょうか。
そんな羅漢図を描いた狩野一信は、狩野派の1人です。

でもね、彼が生きたのは幕末。
当時日本に伝わった洋風の陰影法、遠近法を積極的に取り入れたりして、
今まで見てきたような狩野派の絵とはなんだか違う感じがしました。

そしてね、妙にリアルな羅漢さま。

おやじだーーーー(笑)

実際、羅漢さまも人なわけだから・・・髭はあるし胸毛もあるしw
若干小汚いオヤジです!(笑)

そんな羅漢さまがビームを出したりして、地獄に堕ちた人を救うのだ。

けっこう迫力があります

ときには動物たちにも釈迦の教えを伝えるために、
自分のお腹の中を開き、現出する仏を見せたり。

えぐいんですけど(笑)

一信の描く悪鬼たちはかなり迫力があって、
会場で作品を見ていた小さい子供は、「こわいーー」と言ってました。
うん、そう思う。

第22幅。六道、地獄

でも怖いだけじゃなく、緻密に描かれた人物や服。
そして大胆な構図は見ていて面白かったです。

羅漢の着ている服も細部まで綺麗な模様が描かれているし、
毛髪もとてもリアル。
竜宮城へ向かう羅漢たちの図で描かれた波もすごく迫力がありました。

第71幅、龍供

こんな風に、羅漢の修行や日常の姿、衆生を救済する様子が
100幅に渡って描かれているんだけど、
96幅まで描き終えた数え年48歳で病没してしまったのだ。

そこで、残り4幅は妻・妙安(みょうあん)、弟子・一純(かずよし)らが補って完成させ、
文久3年(1863)に増上寺に奉納されたんだそうな。

確かに90幅を超えたあたりから、画風が若干変わったようには感じました。
間の抜けた余白が出てきたりして、最後の方の幅は、なんだか寂しいような感じ。
彼自身に100幅すべて完成させてもらいたかった気がします。

死者や悪鬼などを精魂込めて描きすぎて
病んでしまったのかもしれないですね。

この展覧会では、増上寺所蔵の羅漢図以外にも、成田山新勝寺の
十六羅漢図なども来ていました。
これまた大きな図なのに、細かく描かれていましたよ。

7月3日まで開催しているので、興味のある方は是非(^-^)

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法然上人八百年御忌奉賛
特別展「五百羅漢―増上寺秘蔵の仏画 幕末の絵師 狩野一信」

平成23年(2011)4月29日(金・祝)~ 7月3日(日)
東京都江戸東京博物館 1階展示室
http://500rakan.exhn.jp/top.html

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